生活に必要なモノが買えない…

 

今あなたの手元にある100万円は、未来も100万円の価値があるとはかぎらず、インフレになったら、その価値が目減りしてしまうのです。

通常、老後資金の準備は長期間にわたりますので、くれぐれも用心してくださいね。

 

タンス預金なんてしていたら、一発でアウトですから。

なお、インフレに強い資産運用法についてはおいおい解説しますが、とりあえず話を年金に戻します。

 

さて、インフレリスクと聞いて、金融に関する知識がある方はこう思われたかもしれません。

「日銀がこれほど金融緩和しているのに状況はあまり変わっていないから、インフレなんて起きないんじゃないの?」と。

 

ご指摘はごもっともだと思います。

 

「どれだけ真面目に働いても暮らしがよくならない」という日本経済の課題を克服するため、「デフレ(※)からの脱却」と「富の拡大」を目指す。

(※)物価が持続的に下落する状態のことで、要はインフレの逆

それが2012年12月に発足した安倍政権の掲げた「アベノミクス」でした。

 

日銀は2%のインフレ目標を掲げ、「異次元緩和」と呼ばれる金融緩和策を実施。

総裁である黒田東彦氏の名を冠し、「黒田バズーカ」と称されました。

 

 

ところが、日銀は当初2年での達成を目指した2%のインフレ目標が、9年たっても達成できないとの見通しを示したのです。

物価の安定を司る日銀ですらお手上げ状態ですから、日本が本当にインフレになると思っている人は、それほどいないのではないでしょうか?

 

とはいえ、「インフレは起きない」と決めつけるのは少々危険です。

 

例えば、生産年齢人口(※)の低下で、サービス業などは賃金を上げざるを得なくなっていますが、これはインフレ要因です。

(※)15歳から65歳未満の年齢に該当する人口

また、財政の健全度が低下するなかで日本円への信認が下がって円安になれば、輸入品を中心にモノの値段が上がることになります。

 

他にも様々な要因があり、もちろん必ずそうなるとは断言できませんが、老後までは数十年という長期間になりますから、リスクを考えておくべきです。

 

老後を迎えたその時、インフレで生活に必要なモノが買えなくなるとしたら…

それは長生き・障害・死亡という人生のリスクと同じく、立派なリスクと言えるでしょう。

 

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