これまでは主に年金制度について解説してきました。
年金とは人生のリスクに備える総合的な保険であるということをご理解いただけたでしょう。
ですから支払った保険料と受け取る金額の比率を考えること自体、少しおかしなことだと思いませんか?
例えば、長年火災保険に加入していても火事が起こらず、結局保険料がムダになったとしても、普通は怒らないのと同じ。
とはいえ、火事が起こっても、保険金がもらえないとしたら話は別です。
つまり将来的に年金制度が破たんして年金がもらえなかったら、普段は仏の亀山と呼ばれている私も阿修羅の如く怒り狂うでしょう(笑)
ところが、実際に見たり聞いたりしたことはありませんか?
「年金は破たんする」と…
少し前、私のところにもこんな電話がかかってきました。
「もう年金が出なくなるって知ってました?」
若い女性の声ですが、どうやら何かの営業のようです。
いつもならすぐに電話を切るのですが、このときは少々暇でしたので付き合うことにしました。
「えっ?そうなんですか?」と芝居がかった返答をすると、今度はその女性が驚いたようです。
「知らないんですか?雑誌とかにもすっごく書かれてますよ!」
結局、この電話は「年金がもらえないからこそ自助努力で!」という流れで、賃貸マンション経営を勧誘するものでした。
不安を煽るタイプのよくある営業ではあるのですが、如何せんやり過ぎでしょう。
年金が減るという話はよく聞きますが、さすがに「出なくなる」とは…
口調から察するに、その女性はいずれ年金が本当になくなると信じ切っている様子でした。
おそらく社内では、そう教えられて(洗脳されて)いるのでしょう。
「老後のために、自分で備えておかないといけないんです!」と、何度も懸命に繰り返していましたから。
電話を切って、その会社のHPを確認したところ、先ほどの女性も紹介されていました。
驚いたことに、ファイナンシャルプランニング・プランニング技能士3級との記載が…
落語じゃないんだから、ここまできれいに落とさなくても…(笑)
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