「ジョセフ・P・ケネディ」という人物をご存知でしょうか?
ほとんどの人は知らないと思いますが、実は第35代米国大統領である「ジョン・F・ケネディ」の父親です。
株式投資などで莫大な富を築いて息子たちの政界進出を強力にバックアップしたのですが、そんな彼のエピソードをご紹介しましょう。
1928年冬のある日のこと。
オフィスに向かう途中で靴を磨いてもらっていた時、靴磨きの少年がケネディに言いました。
「おじさん、〇〇の株を買いなよ、絶対に儲かるから!」と。
それを聞いたケネディは「こんな少年までが株の話をするようになったら、そろそろ危ない…」と考え、保有していたすべての株を売り払いました。
そして翌年の1929年に起こったのが、世界大恐慌の引き金となったウォール街の大暴落です…
この話はケネディの作り話と言われていますが、実際に彼が難を逃れたことは確かであり、とても示唆に富むエピソードです。
今まで投資と縁遠かった人が興味を持ち、実際に株を買い始める。
「株で1億!」といった本が、本屋の目立つところに平積みされる。
つまり素人と呼ばれる人たちがマーケットに入ってくると、株価は逆に動く可能性が高いということ。
だってそうでしょう?
素人が簡単に勝てるようなら、株を始めた人たちは今頃みんなが億万長者のはずですから。
このところ、個人投資家による証券口座の開設が急増しているようです。
コロナショックによる株価下落をチャンスと考えた人や、老後への不安から資産形成について考えた人が増えたことが原因なのでしょう。
ということで、相場はさらなる下落に見舞われるかもしれません…
ところで、「ジョセフ・P・ケネディ」は大暴落による損失を回避しましたが、逆に大暴落で1億ドル(今の紙幣価値で約4,000億円)以上の利益を上げたトレーダーがいます。
伝説の相場師、「ジェシー・リバモア」です。
彼は一般的な人とプロの違いを次のように語りました。
「一般大衆投資家とは恐怖すべきときに希望を持ち、 希望を持つべきときに恐怖する」
相場を動かすのは人間であり、人間の本質は100年前も現在も何一つ変わっていません。
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