世界規模で拡大し始めている人生100年時代。
中でも長寿化という潮流の先頭を走っている日本は、世界に先駆けて新しい現実を突きつけられる国です。
あなたが望む、望まないにかかわらず、未知の領域に踏み出さねばならないのです。
ところで、人間の寿命に上限はあるのでしょうか?
前述の通り、今先進国に生まれてくる子どもの過半数は100年以上生きると予想されます。
この長寿化の流れはまだまだ続くのでしょうか?
将来、寿命が150歳、さらにはもっと先まで延びていく可能性はないのでしょうか?
科学論争のほとんどがそうであるように、この問題についても対立する様々な主張があります。
悲観論者によれば、栄養状況の改善や乳幼児死亡率対策の大きな前進はこれ以上見込めず、むしろ歩かないライフスタイルや肥満などの繁栄の病により、平均寿命の上昇は足を引っ張られるとのこと。
一方、楽観論者によれば、禁煙に代表される啓蒙キャンペーンの効果は今後も大きく、それがテクノロジーの革新と組み合わさることにより、平均寿命はまだ上昇し続けるとのこと。
中には人間の寿命に生物学的な上限はなく、科学とテクノロジーが進歩すれば、平均寿命は何百年にも達すると唱える説もあります。
悲観論と楽観論のどちらが正しいか?
いずれにしても私たちの未来に重大な影響を及ぼすことは確実です。
次の図は、ベストプラクティス平均寿命(毎年の世界1位の国の平均寿命)をグラフ化したもの。
この図を見るかぎり、人間の寿命に上限があるにしても、そこに到達するのはまだ先のように思えます。
もし上限に近づいているのなら平均寿命の延びが減速し始めているはずですが、上昇ペースは過去200年と変わっていませんから。
ちなみに「LIFE SHIFT」の著者たちは、110~120歳くらいまで上昇し続け、その後は延びが減速すると予想しています。
私が指摘するまでもなく、もちろん未来のことは誰にもわかりません。
しかし、押さえておくべきポイントは、人生100年時代が空想の世界の話でもなければ、乱暴な当てずっぽうでもないということ。
それは一部の幸運な人だけに待っている未来でもありません。
各種のデータが物語っているように、今生まれてくる子どもの多くが100歳を大きく超えるまで生きるという予測には、十分な説得力があるのです。
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